青木繁展3
樋口一洋(一葉ではありません)先生という
中学生の時の美術の男性の先生がおられました。
先生は
「客観的に見なければならないので自画像を描くのが一番難しい。」
とおっしゃっていました。
私は芸術は音楽であれ絵画、彫刻、映像であれ、
自己の表現、主観の主張なのだから、
客観視するのはおかしいのではと思ったのです。
しかし、いまの自分がどんな人間か、
必要以上にかっこよく描くことなく、また卑下することなく
真実の自分をどのように表現するかが自画像だとするなら、
樋口先生の言葉はうなずけます。
最初の自画像です。
全体に暗く顔の輪郭すらはっきりしません。
しかし、縦の赤い線の使い方で人物を浮かび上がらせています。
赤は血の色、生命力を感じさせ、
「今にみておれ」という意気込みを感じました。
二枚目の自画像です。
はっきりと自分を押し出し、自信に満ちて、気負いもなく落ち着いたかんじがします。
私には「おれは天才だ」と言いたげに見えます。
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